時間泥棒の思い出

アイドルヲタクがツイッターでは文字が足りない時に書く独り言です。あなたの貴重な時間を泥棒します。

個室ビデオ屋さんで過ごした一夜

個室ビデオ屋店に初めて行った話をしようと思う。

 

皆さんは個室ビデオ店にいったことはあるだろうか。

 

利用したことのない人向けに個室ビデオ店がどのような店か説明すると

店内に大人の映像作品があって個室でそれを自由に鑑賞することができる

というサービスを提供しているお店である。

 

個室にはティッシュがあからさまに常備してあり、いつでも鼻をかむことができてとても便利である。

 

そんな個室ビデオ店を、私は一度だけ利用したことがある。

 

ある日会社の飲み会があり、終電で帰ることになった。

そこまで酔ってなかったはずなのだが、スマホGTO電子書籍を呼んでいたら10駅くらい通り過ぎて溝ノ口まで来てしまった。寝過ごしたとかならわかるが電子書籍そのまで夢中になれる極限の集中力はどっから出て来たのか知りたい。

 

溝ノ口にくるのは初めてだった。天体戦士サンレッドを見て初めて名前を知った程度のレベル。この見知らぬ土地で一夜を明かすのは辛いということで調べてみるとなんとか渋谷までは帰れるらしいことがわかった。

 

そんなこんなで電車に乗って渋谷まで移動。

今でこそライブハウスに通って頻繁に渋谷に通ったのでなんとも思わないが、当時はそんなに行く用事のない場所だったので渋谷ってちょっと怖いイメージがあった。

 

とりあえず屋根のあるところで一晩を明かさなくてはいけないがお金を使いたくない。そこで思い浮かんだのが漫画喫茶。そんなこんなでネット喫茶を探していると個室ビデオ屋さんがところどころにあることに気がついた。

 

値段も漫画喫茶とたいして変わらないし、一度も行ったことないのでいい機会だと思い体験してみることにした。

 

入店してキョロキョロしているとカウンターのおじさんが「お客様、当店のご利用は初めてですか?」と声をかけて来て速攻で個室ビデオ童貞がバレた。

 

このブログを読んだ皆さんにはそのような恥ずかしい思いをしてほしくないということで簡単にシステムを私の方から説明しておく。(店舗によってシステムが異なると思うのでご了承願いたい)

 

  1. カウンターにいって料金プランを選択する
  2. 好みの映像作品を5本まで部屋に持ち込むことができるので最初選ぶ
  3. カウンターに持っていって確認してもらう
  4. 自分の部屋に持ち込んで鑑賞する
  5. 別の作品を見たい場合は一度自分の借りたビデオを返却する

ざっとこんな感じ。

 

さっそくカウンターで利用時間を伝える。朝電車が動く時間まではここにいたかったので深夜から朝までのナイトパック的なプランを選択した。

 

すると、係員の人がモーニングコールのサービスがあるので利用しますか?といってきた。個室ビデオ点を宿代わりに使う人は多く、寝坊しないようにこのようなサービスを提供してくれているようだ。なんと素晴らしい配慮だろう、個室ビデオ屋が好きになりそうだ。

 

次の日特に予定があるわけではなかったが、延長料金を払うのは嫌だったので余裕を持ってAM:6:00ころ起こしてくださいとお願いした。

 

そうしててきとうに作品を5本ほど借りてブースイン。

室内は完全防音のせいでなんか不安になるくらいの静寂につつまれており、閉所恐怖症の人はこれやばいだろうなと思った。

部屋は真っ黒なマットのようなものが敷き詰められており、雑魚寝でなんとか眠れそうなかんじだった。

 

正直あんまりそういう気分で入ったわけではなかったが、貧乏性なのでどうせならという感じで鑑賞したがなんか落ち着かない。

どう考えても自宅でリラックスした状態で見たほうがいいじゃないかと思ってしまった。

 

とはいえ作品を見ないとなると暇だったので友人に電話をかけた。

防音なので大きい声で電話をしても誰にも迷惑をかけないし、ここが漫画喫茶に比べて素晴らしいなと思った。

 

話してるうちに夜が更けてきて眠くなったのでそのまま寝ることにした。

 

そして朝になってすごくアラームがなった。

あー、これは昨日頼んどいたモーニングコールかと思い時計を見るとまだAM 4:00だった。

 

そして部屋が防音で反響してるのか音がめちゃめちゃでかかった。というか耳をつんざくレベルでこの部屋にこのままいることができないレベルだった。

しかも完全防音のせいで部屋の中で音が反響しまくって耳をふさいでもうるさいレベルだった。

 

お願いしていた時間より早いし、他のお客様と間違えてるのかなーなんて思いながらとりあえずこのけたたましい音量のアラームを止めてもらおうと部屋に備え付けられていた電話機でフロントに電話をかけた。

 

繋がったのはいいのだがアラームの音があまりにもでかすぎて電話口でなにをいっているのかわからなかった。そのくらいの爆音。

 

なんか変だなあと思いながら自分の部屋の扉をあけて部屋から顔を出してみると、隣もその隣も、というか全部の部屋の人間が扉から顔を出して外の様子を確認していた

 

完全プライベート個室が売りの個室ビデオ屋さん。できれば自分の存在を他の部屋の人に知られたくないはずなのにみんな部屋から出てきている。異様な光景だった。この時点であきらかになにか緊急事態が発生していると理解した。

 

そういやこの音アラームというより明らかになにか緊急をしらせる音だ。

「ピピピピ」とかかわいい音じゃなくて「ジリジリジリジリ」とすごく主張の強いベルの音。あきらかにやばいだと思った。

 

そしてここでもう一つ思ったのが、個室から顔を出していた客で20代の客は自分くらいだった。他の客は30代とかそれ以上の客だったということが。

 

そのとき、個室ビデオ屋さんは実は家庭でなんらかの理由で大人の映像作品を見ることができない人が来る場所なのではないだろうかと思った、それは一緒に住んでいる妻や子供が原因かもしれないし、住んでいる場所が実家なのかもしれないし、とにかく一人暮らしをしている自分のような人が来るべきような場所ではないんじゃないだろうかとすごく感じた。なんだろうこのアウェー感。帰りたい。

 

とにかく事実確認をしなきゃとおもってフロントに確認しにいくと、防災用の緊急ベルが誤作動したようですとのこと。

その言葉を裏付けるかのように私がフロントで店員さんに確認している間にベルは鳴り止んだ。

 

まださすがに眠かったので部屋に戻ってもう少し寝ようと思って10分くらいするとまたものすごい音でベル。また寝ようとするとベル。これが30分くらい続いて発狂しそうになった。

 

流石にもうここにはいられないとおもって渋谷に飛び出して外の渋谷でぼーっと時間を潰して始発に乗って帰った。これが私の個室ビデオ屋で過ごした一夜。

 

それから数年。最近では技術が発達して個室ビデオ屋でVRの映像作品が見れるときいて1度でいいから見てみたいと思ってはいるのだが、この件がトラウマになったあれ以来一度も個室ビデオ屋さんには行っていない。