本記事は以下の記事の続きとなっております。
そんなこんなで中学ではサッカー部に入部することになった。
サッカー部というのは爽やかでモテるイメージがあるし、エースストライカーになってバレンタインデーにチョコを1000000個もらう予定だった。
そんなこんなで、毎日部活をやっていく中、あることに気づいた。
全然サッカーが上手くなってない。
小学校の頃は、足の速さと運動量を武器にした雑なサッカーをしていた。
足の速さだけで、相手のディフェンスをごぼう抜きしてゴールを決めるというほとんどテクニックが必要とされないサッカーだった。
ただ、中学生になるとそれは通用しなくなる。
サッカーが組織的になり、いろいろなことが要求されるようになった。
周りを見て都度状況判断をする、正確なトラップ・パス・シュート、相手のディフェンダーのマークを外すためのチームメイトとの意思疎通などなど。
私にはそれがとっても難しかった。
武器だった体力と足の速さも、周りが中学生になって身体が成長していくことによってどんどん追い抜かれていった。
そして私の気の小ささもサッカーの世界には向いていないものだった。
サッカーをやっている人は気が強い人が多くて、ちょっと体があたっただけで因縁をつけられるなんてことは日常茶飯事だった。
爽やかなイメージのサッカーだが、審判に見えないところでマーク相手のユニフォームを掴んだり等のラフプレーはサッカーの基礎テクニックの一つといってもいいほど激しいスポーツなのである。
そういった性質上、結構苛立ってプレーをしている選手も多い。
まちがって足を踏んでしまってごめんなさいといったら、足を踏み返されて睨み返されたり、しつこくマークについていると苛ついて文句を言ってくる人もいた。
気が弱い私は、そんな激しいスポーツの世界に完全にビビってしまっていた。
気がつくとボールを持ってもドリブルするのが怖くてボースを持つとすぐにパスを出してしまう、シュートチャンスでも自分でシュートを打たずに味方にパスをだしてしまうなんてことが多くなっていた。
サッカーにおいての私の強みは何一つなくなっていた。
ポジションは今までやっていたフォワードからディフェンダーへと変更され、試合にもまたなかなか出られなくなった。ベンチ要員への逆戻りだった。
そしてなにより辛かったのはサッカー部の練習で自分がミスったときの周りの目だった。
みんな真剣にサッカーをしていたので、パスを送った私がミスをするとなんとも言えないギスギスした雰囲気を出すようになっていた。おいおいまたかよみたいな感じ。
これが本当につらくて、サッカー以外のときもサッカー部のメンバーに対してめちゃめちゃ萎縮するようになっていた。
いつのまにか授業が終わって部活が始まるのが心底嫌になっていた。
部活がやりたくなすぎて学校にも行きたくないほどだった。
もう、サッカー部には私の居場所はなくなっていた。
思い切って母親に部活をやめたいというと、部活を途中でやめると内申点に響くから卒業までは頑張りなさいと言われた。
それでも何度も何度もやめたいと相談して、学校にも行きたくないと言ったあたりで母親は折れたように部活をやめることを許可したのだった。
そうして私はサッカーやめてしまった。
元サッカー部と名乗るのはなんだか今になっても気が引けるので、サッカーの話になったときにはむかしちょっとやったことあると答えている。
ただ、今になって冷静に考えると元サッカー部というのはなんかモテそうな感じがするので、今後は積極的に元サッカー部を名乗って学生時代にまったく貰えなかったバレンタインデーのチョコレートを1000000個ほどもらっていきたいと思う。